[コラム] 「ホワイト学割」 基本料金0円のカラクリ


 ついに始まった、基本料金0円の「ホワイト学割」。ホワイト学割は、小学校から専門学校・大学院までの教育機関に通う学生のすべてが適用対象で、新規加入の場合、加入から3年間の基本料とパケットし放題の下限が0円となる。基本料を大幅に割り引いても、なおも儲かるカラクリを紹介しよう。



 □ そもそも「ホワイト学割」とは何者なのか

 最近、CMなどで「ホワイト学割」という言葉をよく耳にするが、そもそも「ホワイト学割」とは何者なのか。そんな素朴な質問の問い合わせがあったのでお答えしよう。

 ホワイト学割とは、小学校から専門学校・大学院までの教育機関に通う学生が新規加入した際に、「ホワイトプラン」・「パケットし放題」・「S!ベーシックパック(ウェブ・メールの基本料)」と端末を同時に契約することによって、そのうちのホワイトプランの基本料金980円が3年間に渡って割り引かれ、パケットし放題の下限も通常の1029円から0円に引き下げられるというものだ。

 なお、通常の場合これらのすべてを契約すると、

「ホワイトプラン」・・・・・980円
「パケットし放題」・・・・・1029〜4410円
「S!ベーシックパック」・・・・・315円

の合計で2324〜5705円が必要となるが、「ホワイト学割」なら315〜4725円で済むのだ。
 

 □ ARPUが確実に2200円は確保できる「新スーパーボーナス」の存在

 しかし、実際にあまり使わなかったユーザーのすべてが315円、もしくはそれに通話料を少しプラスした金額でおさまる料金となるわけではない。むしろ、たくさん使おうが、そうでなくとも、ほとんどのユーザーの料金は確実に2200円は確保できる。

 現在のソフトバンクの端末の購入方式は90%以上が「新スーパーボーナス」となっている。以前ご紹介した「スーパーボーナス一括9800円セール」なるものもあるが、それはあくまで例外的なセールでしかあらず一般的な購入方法ではない。

 この「新スーパーボーナス」の割賦販売(新規)の価格のほとんどが2200円以上であり、一部の980円機種や1280円機種といった安価な機種を選ばない限り、たとえあまり使わなくとも特別割引額を利用料金で相殺しきれず最低でも2200円が必要となるのだ。

 また、孫社長も発表会見で述べていたように、若者ほどハイスペックな機種を好む傾向にあるのはご存知のとおりだ。もし仮に「920SH」(分割支払金3580円・特別割引上限2200円)を契約した人がいたとすれば、最低でも3580円を支払う必要がある、またパケットし放題などの利用で特別割引上限を超えたとしても分割支払金との差額1380円はどちらにしても必要となるのだ。(参考:新SPB価格表2/1〜 /モバイルデータバンク)



 □ 通信ARPUも高水準を獲得できるカラクリ ほぼ全員が上限額4410円に到達!?

 前述の通りARPUがほぼ確実に2200円を確保できる上に、ウェブ閲覧やメールの送受信などの通信ARPUも、学生以外の一般顧客に対してかなりの高水準の料金を見込むことができる。

 「パケットし放題」の下限を0円にして、ホワイト学割とセットにすることによって、(パケットを使う、使わないかは別として)パケットし放題の加入率は言うまでもなく100%となっている。例えば、携帯を初めて持つ、中学生・高校生は最初はパケット通信をいきなり大量に利用するというのは考えづらいだろう。パケットし放題に加入していなければそのままパケットをあまり使わないままとなって通信料は数百円程度かもしれないが、パケットし放題を標準で加入させることによって、「最大でも4410円でストップする」という安心感から、便利さを覚えるとともに徐々に利用が増加するだろう。

 また、「コンテンツ学割クラブ」と名づけられた無料のコンテンツも通信ARPUの向上に寄与するだろう。無料のデコレメール素材やゲーム、名作文庫など、最初は興味本位での利用で、数百円程度の利用料しか発生しなくても、「情報料無料だから」と利用が増えるにつれて「4410円固定ユーザー」となるだろう。(実際にゲーム(アプリ)の場合、数本をダウンロードするだけでパケットし放題の上限に達する場合がある。)



 □ それでは、実際のARPUはどの程度だろうか 試算してみた

 端末は、9割が「新スーパーボーナス」を利用し、残りの一割は「スパボ一括」や通常契約を利用したと仮定しよう。9割のスーパーボーナスの利用者平均割賦額の計算は後述するが、残りのスパボ一括と通常契約のユーザーはARPU上は端末代が月額0円となるので「端末ARPU=スパボ平均額×0.9」となる。

 また、新スーパーボーナスを利用したユーザーの3割が分割支払金3580円・特別割引上限額2200円・実質1380円の920SHに代表されるハイエンド端末、3割が分割支払金2980円・特別割引上限額2200円・実質780円の821SH二代表されるミドルクラス端末、2割が分割支払金2200円・特別割引上限額2200円・実質0円の911Tに代表される型落ちのお買い得端末、2割が分割支払金1280円・特別割引上限額1280円・実質0円のいわゆる1280円機種を選択したとしよう。

 すると、分割支払金の平均額は、「3580円×30%+2980円×30%+2200円×20%+1280円×20%」で2664円となる。
また特別割引上限額の平均額は、「2200円×30%+2200円×30%+2200円×20%+1280円×20%」で2016円となる。
なお、1割のユーザーは新スパボを利用しないと仮定しているので、最終的な分割支払金の平均額は、「2664円×0.9」で2398円、特別割引の平均額は「2016円×0.9」で1814円となる。

 音声ARPUは、5000円程度を1割、3000円程度を2割、2000円程度を2割、1000円程度を3割、まったく使わず0円程度を2割と仮定しよう。
すると、音声ARPUは「5000円×10%+3000円×20%+2000円×20%+1000円×30%+1000円×20%」で2000円となる。

 通信ARPUは、上限額の4410円が4割、2000円程度が2割、1000円程度が2割、まったく使わず0円程度を3割と仮定しよう。
 すると、通信ARPUは「4410円×40%+2000円×20%+1000円×20%+0円×30%」で2364円となる。

 総合のARPUは「{(音声ARPU+通信ARPU+S!ベーシックの基本料金315円)-特別割引の平均額}←0以下は0とする+分割支払金の平均額」で算出できる。
実際に計算してみると「{(2000円+2364円+315円)-1814円}+2398円」となり5263円となる。

 ちなみにこの額はソフトバンクモバイル全体の総合ARPUに割賦ARPUを足した金額5530円とほぼ同額で、この試算ではホワイト学割がARPUに与える影響は少ないという結果が出た。あくまでも試算は試算だが、ソフトバンクでも同じような試算を繰り返した結果、このホワイト学割を実施することを決めたのだろう。しかも、期間限定で実施することによって、一気に顧客の獲得が見込まれるうえ、儲からなかったら継続しずにやめるという選択も可能なのだ。
 [2008/2/3 編集部]

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