[コラム] auのCMはモラルに反しているのではないか?

[無期限くりこし] 



 「満足度No.1」とか「電波がつながりやすい」といったうたい文句でCM展開をし、純増数を順調に伸ばすau。その人気は圧倒的なもので契約者の純増数も1年以上連続でauがトップといわゆる「一人勝ち」の状況である。以前からCMの内容について「自己顕示が強すぎる」との批判もあったが、少数派だった。
 問題のCMは2つある。ひとつは「無期限くりこし」、もうひとつは「ケータイの掟」だ。

「無期限くりこし」

 無期限くりこしとは、あまった無料通信分を繰り越すサービスで、くりこし期限は無期限である。無期限くりこしといわれてあなたは最初にどのようなサービスを思い浮かべただろうか?
 そもそもくりこしサービスというのは2001年にJ-PHONE(当時)がはじめたものでサービス名は「自動くりこし」で、繰り越しできるのは1ヶ月の無料通信分までとなっていた。その後、ドコモが始めたのが「2か月くりこし」というサービスだ。繰り越しできるのは2か月分の無料通信分までで、ファミリー割引に加入している場合はそれでも余った分を家族に分け合える仕組みだ。
 無期限くりこしといわれて「無料通信分を無制限にいくらでも繰り越しできるサービスなのか」と思った人は少なくないのではないか?もちろん筆者は最初にきいたときはそう思った。auは他社のくりこしサービスに対抗するために当初「3ヶ月くりこし」を検討していた。3ヶ月くりこしというのは言うまでもなく3か月分の無料通信分までくりこしができるというサービス。
 auが「3ヶ月くりこし」を発表した後に、某大手メディアが「無期限くりこし」なんてどうだろうか?という記事を書いた。それをインスパイアして作られたのがこの「無期限くりこし」だ。しかし、そのサービス内容はメディアが提案していた「無期限くりこし」の内容とは大きくかけ離れていたものだった。
 
 メディアが提案した「無期限くりこし」とは、無料通信分を制限なく繰り越せるもので、制限がない分ユーザーはいくらでも繰り越しができて無駄が少ないというメリット、事業者側には無料通信分を多く繰り越させることによって他社への顧客流出の抑止力となるメリットがあるとしていた。
 しかし、auが発表した「無期限くりこし」には大きなカラクリがあった。それは、繰り越しできる額に上限が設定されていたことだ。上限額はプランによっても異なるが3か月分から6か月分程度、と検討していた「3ヶ月くりこし」とあまり変わらない。

 上限があるなら無期限ではないじゃないかと言いたいところだがauの見解としては「繰り越しできる額には上限はあるが、繰り越しできる期間に制限はない」というものだった。たしかに、そう言われてみればそうだが、なんとも納得のいかないものだ。普通に考えれば「繰り越しの対象となる期間が無期限」という解釈が一般的なのではないだろうか。おそらく、メディアもそういう意味でこの「無期限」という言葉を選んだのだと思う。

「無期限」と呼ぶにはちょっと少ない繰り越し上限額

 逆に、繰り越しできる額に上限があっても「無期限」と呼べるのであれば、ドコモやソフトバンクのくりこしサービスも(ある意味)「無期限」と呼べるのではないだろうか。


 結論   こんな、騙しみたいなものを、CMで「無期限」「無期限」と連呼して、挙句の果てには「究極のくりこし」などと宣伝するのはいかがなものだろうか?上限があることはCMの最後に画面の下にチョロチョロっと流すだけで、CMのなかのストーリーではあたかも「いくらでも繰り越しできるから他社よりトクだ」と言わんばかりの内容を流すのはフェアではないだろう。

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