←試験導入中

[コラム] 携帯料金戦争がついに勃発 ついにあのauも値下げ発表


 業界の価格破壊の風雲児、ソフトバンク参入から約9ヶ月、携帯電話業界にもついに料金戦争が勃発した。6月26日のドコモの新割引プラン「ファミ割MAX」、「ひとりでも割」に続きついにauも7月19日に「誰でも割」を発表した。



 □ ドコモは"ひとりでも"、auは"誰でも" 意識し合いの両者間の争い



 ドコモが新料金プランを発表したのはまだ記憶に新しい6月26日、au対抗の「ひとりでも割」とドコモのアドバンテージ(優位性)の拡大が目的の「ファミ割MAX」を発表した。
 「ひとりでも割」は、auの「MY割」対抗のプランで、2年契約をすることで、家族契約を結ばなくても家族契約をしたときと同じ基本料金の割引率になる割引プランだ。
 「ファミ割MAX」は、2年契約をすることで、家族内の一番割引率の高いユーザーの割引率と同じ基本料金の割引率となる割引プランだ。ドコモはご存知のとおり携帯電話業界でのシェアを54%と過半数を持っており、家族の囲い込みという点でのアドバンテージ(優位性)は、シェア率28%のauやシェア率17%のソフトバンクに比べて圧倒的なものである。

 そのまま行けば、ドコモは他社から多くのユーザーを家族からの紹介で獲得できたかもしれない。ちなみにモバイルライフサポートの試算では「ファミ割MAX」がアドバンテージを維持し続けることができた場合(auが追随しなかった場合)1年間で200万人〜300万人程度の顧客獲得ができるという試算も出ていて、その獲得顧客のうち8割以上がauからの獲得という試算となっていた。あくまで、こちらが勝手に新規契約者数や顧客流動数とその動機についての調査をもとに試算したデータではあるが、auにとっての脅威であったことは間違いない。

 もともと"ひとりでも家族割引"という割引システムはauのアドバンテージだっただけに、ドコモの思い通りにはさせるか、と言わんばかりに対抗してきた。
 auにドコモに対しての顧客数でのアドバンテージはない。つまりドコモと同じように契約期間が一番長いユーザーの割引率を・・・という割引ではドコモに対してまったくのアドバンテージを持たない。そこで、究極の選択でもある長期契約での割引という概念をすべて捨て、誰でも2年契約さえしてしまえ即半額にするという「誰でも割」が登場したのだ。



 □ 長期契約という概念を取っ払ってしまった「誰でも割」にはいくつかの矛盾も

 ドコモに対抗するために、苦渋の選択とも言える新割引サービスの「誰でも割」を発表するに至ったが、この割引プランは契約を継続して続けることによってそうでないユーザーと比べ料金を割安にするという"長期契約"の概念を取っ払ってしまったがためにいくつかの矛盾も出てきている。

 長期契約者への優遇措置がない
 割引プランを拡充すること自体は悪いことではないが、だれでもいきなり半額というのは長期契約者にとって不公平な内容ではないだろうか。本来、長期契約者に対し、新規契約者と比べ長く愛用してもらっていることに対して割引がされてきた。しかし、気分しだいでドコモにも行けばソフトバンクにも行く、でもauにもきてみたという携帯電話事業者からみたら迷惑でコストが普通の契約者と比べて多くかかる顧客でも、私はずっとauだけを使っています、という顧客でも差をつけないというのは、基本料金から機種購入時の費用を実質的に減免しているインセンティブ制度を導入するKDDIにとっては、不公平のかたまりともいえるのではないか。

 解約新規がしやすくなってしまう
 新規契約でも条件を満たせばすぐに半額になってしまうので、俗に言う"解約新規"による不当廉売を促進させてしまう。"解約新規"とは、機種変更をする際に、よりインセンティブによる端末価格の減免を受けられるように、一回解約しすぐに新規加入をすることだ。これまでは長期割引制度などによって実質的にこのやり方を抑制してきたが、この割引プランが開始されればその抑止力はなくなり、解約新規が横行し、良心的なユーザーは現在にもまして損をしてしまうかもしれない。



 □ ソフトバンクにとってはすべて想定内 ソフトバンクの強力なアドバンテージ

 ドコモやauがこうして割引サービスによる間接的な料金値下げを行ってもソフトバンクにとってはすべて想定内だろう。むしろ、ソフトバンクの絶対的なアドバンテージを確立するために他社の"中途半端な"料金値下げをあおっているようにも見えた。

 ドコモやauが割り引きプランを拡充したところでソフトバンクのホワイトプランなどの料金プランの優位性は崩れず、基本料金の安さだけでなく自社内定額制という他社は(今のところ)まねできないアドバンテージをもアピールできる。
 オレンジプラン・ブループランでは他社が値下げや新料金を発表するごとに追随し、ドコモとauが同じようなプランをおのおののタイミングで発表すればソフトバンクにとっては2倍の宣伝になるのだ。他社の発表があるごとに自動的に宣伝ができ、200円という基本料金のアドバンテージも宣伝してもらえる。ソフトバンクにとっては、料金値下げをしてもらいたくない"ハッタリの脅し"ではなく"むしろ強気のあおり"なのだ。



 □ 今後の料金戦争の焦点は「定額」

 今後の料金戦争の焦点は間違いなく「定額」の争いとなってくるだろう。
 ドコモは、パケット定額の値下げを幾度となく示唆しており、近いうちにパケット定額の定額料が値下げされるかもしれない。
 auは、2008年内にネットワーク網のIP化(回線交換によるサービスからインターネット網でのサービスに切り替えること)を完了する見通しで、やるかやらないかは別にして、音声定額を出来る環境になる。
 ソフトバンクは、固定通信大手のソフトバンクテレコムとインターネットインフラ最大手のソフトバンクBBとのシナジーによる音声定額を検討していて早ければ2008年度内にもサービスを開始する模様だ。
 現在、ソフトバンクモバイルをはじめとする"ソフトバンク通信3社"はソフトバンクテレコムの固定通信網とソフトバンクモバイルの携帯通信網との通話定額制の試験サービスを法人向けに、ソフトバンクBBのBBフォンとの通話定額制の試験サービスをBBフォンユーザーの一部に提供している。

 携帯電話業界の料金戦争は始まったばかりでさらに各社の競争は激化する模様だ。ソフトバンクBB(Yahoo!BB)の参入によって起こったインターネット値下げ戦争のときのようにユーザーにとっては大きな利益となることは間違いないだろう。



<<戻る  
 ※ アドセンス広告を試験的に導入しています。このページでの結果次第でほかのページへの導入を検討します。